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佐賀県からの回答(3月16日付け)へのコメントを発表

「2015年12月18日付け質問要請書への回答」について,さよなら原発佐賀連絡会ではコメントを発表しました.県にも,とりあえずメールで送りました.
以下に公表します.(さよなら原発佐賀連絡会・豊島)
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報道発表 さよなら原発!佐賀連絡会,2016年5月9日

「佐賀のことは佐賀で決める」ことが本当に出来るのか?
  —玄海原発再稼働問題での7ヶ月にわたる県とのやりとりから見えるもの—

さよなら原発!佐賀連絡会
代表 豊島耕一

私たちは,福島原発事故がもたらした,そして現在も続く甚大な被害を目の当たりにして,玄海原発の再稼働に反対する活動をしてきました.その活動の一つとして,佐賀県との対話を重視して,昨年8月に再稼働問題で9項目にわたる質問を提出しました.2ヶ月後に回答がありましたが,多くの項目で正面から答えられていないと思ったため,昨年12月18日に再度質問をしました.これに対し,本年3月16日に県から回答がありました.長文かつ複雑な内容のため,多くの皆様の理解の助けにしていただきたく,この回答についての私たちの解釈と意見とを表明したいと思います.(以下で引用する項目番号やページ数は,県のホームページの回答文書(PDF),または「さよなら原発・佐賀連絡所」に3月20日に掲示した同文書を参照下さい[注].)

県におかれては,時間と手間をかけて回答文を作られたと察し,感謝したいと思いますが,残念ながら実質的な内容に乏しいものと言わざるを得ません.回答では,そのほとんどの項目でこちらの質問の要点に直接回答することなく,国の方針などを繰り返したり,その動きを「注視」するといった受動的な言い回しに始終しています.国に対して何かを要求する,提言するという姿勢もほとんど感じられません.

地方自治法第1条は,自治体の役割として「住民の福祉の増進を図ることを基本と」するとありますが,その当然の前提として住民の生命と財産の保護があります.原発の持つ重大な潜在的危険性を考えれば,この役割をどれほど真剣に担おうという気概があるのか,残念ながら疑わざるを得ません.

県は原発立地自治体として「同意権」を持つとされています.「同意権」には同意しない権利も当然含まれますが,同意でも不同意でも住民や国家に大きな影響を与えるので,当然責任も生じます.その責任に十分応えるためには,質問項目Ⅱ—4の「専門委員会の設置」のような手段で独自の判断力を持つことが必要なはずです(Ⅱ—3の新規制基準を審査の問題,およびⅡ—5の住民避難に関しては特にそうです).

玄海原発の規制委員会による審査は最終段階と報道され,その内容も公開されています.玄海と同じ加圧水型の川内原発は再稼働され,伊方原発では終わりつつあるにもかかわらず,「審査状況を注視」,「審査が進んだ段階で,国の考え方をしっかりと確認した上で」県としての考え方を整理するなどと(p.1,2,3,5,6,7,27,28),先送りの態度に始終しています.

冒頭に述べたように,項目Ⅱ—5(3)D, (4) A, (4)C以外では実質的な回答はほとんど読み取れませんので,質問したことがらの大部分は未解決と言わざるを得ません.したがって,以下では回答の問題点について特に目立った点のみを挙げることにします.

回答の中にも,質問の意味を十分理解できないとの意味の言葉があることからも(Ⅱ—4A,Ⅱ—5(6)A),文書回答と併せて直接対話の場を持つことがどうしても必要です.「ご質問への回答に正確を期すため」(p.1)というのは直接対話を拒む理由になりません.むしろ文書回答とあい補い合うものでしょう.実際,福島原発事故以前,県は管理職が出席する意見交換の場を設けていました.これまでの2往復の文書のやりとりを踏まえ,県との直接対話の場を求めたいと思います.

山口知事の,当選直後の「佐賀のことは佐賀で決める」という言葉は,憲法92条の「地方自治の本旨」と重なるものだと思います.それが決して裏切られないことを願うとともに,そのためには県内外の世論が大きな意味をもつことを強調したいと思います.

回答のいくつかの項目についてのコメント

1.県民的議論,タウンミーティングについて(ⅠおよびⅡ—8A)
上に述べたように,玄海原発の審査手続きも進んでいると見られるにもかかわらず,「県民的議論」やタウンミーティングについての質問に具体的に答えないのは,これを真に実りあるものとして実行する気があるのかを疑わざるをえません.時間が切迫した状況では形式的なものに終わる可能性が大です.

2.規制基準の評価(Ⅱ−1C.以下では「Ⅱ」を省略)
「世界最高水準であることの根拠」を問うても,国の「説明」が繰り返されるのみで,それを県が肯定するかどうかさえ答えられていません(p.2〜3).

3.放射線による健康被害の目安(1E)
健康被害を抑えるための「最小限の被曝量」を具体的に質問しても,原子力災害対策指針で「国際放射線防護委員会等の勧告にのっとり」とされているだけで,明確な回答がありません(p.3〜4).

4.規制委員会による審査結果の評価(4B)
審査結果を独自に評価する専門委員会の設置を問うていますが,規制委員会が「審査結果をまとめた際には, 説明を聞くなど,国の考え方を確認したい」と述べるだけで,「確認」するための判断能力をどう確保するかについては全く触れていません.

5.ヨウ素剤の意味(5(7)A,B)
5キロ圏外は放射性プルーム通過時に屋内退避するのでヨウ素剤は不要という論法ですが(p.17),5(3)Dの回答(p.12)によれば外気の25%が屋内に侵入するとあります.ヨウ素を含め放射性物質の吸入は避けられません.なお,この回答欄の冒頭に「プルーム通過に対する防護措置としては『安定ヨウ素剤の服用』ではなく,『屋内退避』が重要」とありますが,あれかこれかの選択の問題ではありません.
事前配布の必要性に対する回答でも(p.18),プルーム通過後に服用とされていますが,上の「服用か屋内退避か」論と併せ,ヨウ素剤服用の意味を本当に理解しているのか疑わしく思います.

6.健康被害防止の対策(5−(9)B)
年間1ミリシーベルトは健康に関する「安全」と「危険」の境界を示すものではない,と述べられていますが(p.21),では境界はいくらなのでしょうか.上と同じく5(3)Dの回答(p.12)によれば,屋内に退避でも沈着核種からのガンマ線は木造で40%侵入します.毎時20マイクロ,7日間で1.34ミリシーベルトとなり,やはり1ミリを超えます.
また,1週間以内の屋内退避があり得るとしながら,「3日分の食料・飲料水」等を準備では辻褄が合いません.
なお,今回の熊本・大分の大震災を目の当たりにして,地震との複合災害では指針としての「屋内退避」が不可能であること,避難が困難であることも明白となりました.

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[注] 県の回答文書の所在
佐賀県庁ホームページ>くらしと教育>防災・安全・防犯>原子力安全>佐賀県の原子力安全行政>県からのお知らせ(過去情報)>県からのお知らせ(2016年)>佐賀県知事への要望質問書に回答しました。
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1259/bab-gensiryoku/genshiryoku/_70086/_88194/_95823.html
または,さよなら原発・佐賀連絡所
紹介記事 http://byenukes-saga.blog.so-net.ne.jp/2016-03-20
文書へ直接 http://ad9.org/pdfs/nonukessaga/y2016/160316kaitou1.pdf
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