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県の委員会メンバーへの手紙

さよなら原発佐賀連絡会は本日,県に設置された「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」のメンバー30名に,再稼働反対と慎重な議論を求める手紙を送りました.以下に公開します.(画像クリックでpdf.手紙と資料はタイトルをクリックでテキストへも)

手紙                  原発に関する資料
letter.jpg aboutnukes.jpg

白血病多発の問題            ウランの資源量
leukaemia.jpg resouces.jpg玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会 委員

         様
           さよなら原発佐賀連絡会 代表 豊島耕一
           http://byenukes-saga.blog.so-net.ne.jp
拝啓
この度は玄海原発の再稼働問題についての県の委員会メンバーに就任され、ご多忙のことと存じます。
私たちは3.11の福島原発事故で原発の危険性を再認識し、玄海原発の再稼働を止めたいと考えて活動している佐賀を中心とした市民グループです。毎週金曜日夕方に、県庁前のくすの栄橋で市民に脱原発を訴えるアピールをしています。1月13日で233回になりました。他に、県や市町への要望や映画会、講演会などを行ってきました。

玄海原発と原発問題に関して私たちが収集・分析したさまざまの情報や問題点についての別紙の資料をお送りします。どうか目を通していただき、論議の参考にして頂くようお願いします。

また、委員の皆様には、論議にあたって次のことを要望致します。
1.専門部会については、審査書案の問題点などについて十分な議論がなされ、委員の皆様はもちろん、一般市民も十分納得の行く報告がなされる前に審議が打ち切られないようご努力をお願いします。
2.避難計画の現実性、実行可能性について検証するための、もうひとつの専門部会が必要と思われます。ぜひ議論して頂きたいと思います。

福島原発事故はいまだ終息せず、「原子力緊急事態宣言」は発令されたままです。福島県の原発避難者はまだ9万人を超え、子どもの甲状線ガンは183名にもなっています。原発の再稼働を考える上で福島原発事故に学ぶことは不可欠で(委員のみなさまが福島原発の事故現場と被災地を視察されることを要望します)、その中でも被害者、避難者の方々の気持ちを理解しようと努力することは何よりも大事なことだと思います。避難者が作られた川柳を「3.11避難者あるある5・7・5」*から数句紹介します。原発事故の理解の一助になるかも知れません。

  フレコンの前で子育てそれは無理   (放射能の袋詰めですから)
  安全論 健康被害をなきことに    (空)
  子の不調 その都度被曝に思いはせ  (症状あり)
  再稼働 後世に残す核のゴミ     (原発はやめようよ)
                          カッコ内はペンネーム

原発事故被災者関係の「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団**や、福島原発告訴団などのウェブサイト†も是非ご覧下さい。

多くの世論調査で再稼働反対が多数を占めています。どうか、委員会においては真摯で突っ込んだ議論をして頂くようお願いします。

2017年1月17日

連絡先 杵島郡(ネット上では詳細は非公開) 松枝正幸
電話 xxxx xx xxxx

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* 出典は「東日本大震災避難者の会」. http://sandori2014.blog.fc2.com
** http://www.nariwaisoshou.jp
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp
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審査書案と原発の問題点について

           さよなら原発佐賀連絡会
           2017年1月17日

問題点A:規制委員会の審査書案の内容

(以下の部分の多くは規制委員会に提出された福岡核問題研究会のパブリックコメントによっています。詳細は同研究会のウェブサイト[注1]をご覧下さい。いくつかの用語は末尾に簡単に説明しています。)

1.メルトダウン時の対策が世界の常識に反する危険なものである
九電は、炉心溶融(メルトダウン)が起き、原子炉容器を突き抜けた場合の対策として、格納容器の底に水を張って受け止めるとしています。しかし水に高温の溶融物を落とすと水蒸気爆発を起こすことはよく知られています。また、その水で冷却されることは確実でなくて、底面のコンクリートを浸食し、一酸化炭素など爆発性のガスを発生する恐れがあります。これらの問題は2013年にNHKの「特報フロンティア」が取り上げて大きな話題になりました。また、海外でのさまざまな実験結果を無視しています。しかし規制委員会はこのままで認めてしまいました。
また、この方法では溶融炉心(デブリ)に水が混じりやすくなるため、再臨界を起こす原因になります。そしてそれが水蒸気爆発につながる恐れがあります。

2.フィルター付きベントの設置されていない格納容器は事故時に破壊する恐れ
炉心溶融が発生した時、さまざまの要因で格納容器内の圧力が格納容器破壊強度よりも大きくなり、格納容器が破裂する恐れがあります。このためヨーロッパではフィルター付きベントの設置は義務化されています。しかし玄海原発3、4号炉など加圧水型炉では5年間の猶予が与えられ、これが設置されないまま稼働することになります。

3.原子炉圧力容器の炭素偏析による強度不足の審査を行っていない
フランスでは、原子炉圧力容器の炭素偏析(炭素濃度の偏り)による強度不足問題が発覚し、原子炉の操業を停止し非破壊検査が行われました。問題になったのは日本鋳鍛鋼株式会社製の鍛造品で、これは玄海原発にも使われています。圧力容器の炭素偏析による強度不足という新しい知見が得られたのは新規制基準の策定後であり、新規制基準には組み込まれていません。そのため玄海原発3、4号炉の適合性審査会ではこの問題は一度も検討をされていません。

4.玄海原発3、4号炉は、原子炉建屋を欠き4重の壁しかない
川内原発1、2号炉が鋼板製の格納容器とコンクリートの原子炉建屋で構成される5重の壁構造であるに対し、玄海原発3、4号炉はプレストレスコンクリート製の格納容器に薄い鉄板を貼り付けた4重の壁構造です。
アメリカで1/4モデルを使用して破壊実験が行われていますが、その結果によると玄海原発3、4号炉のコンクリート製の格納容器は従来の鋼板製の格納容器に比べてかなり弱い事が分かっています。しかしその安全性について審査がされていません。
また、航空機落下等に対する耐性も審査されていません。

5.地震動の過小評価
「震源を特定せず策定する地震動」の評価における比較用地震の選定に疑義があります。地震規模がモーメントマグニチュード(Mw)6.5 以上の比較用の地震が、新規制基準策定時の審議の中で8個から2個に減らされましたが、その理由が不明です。
「震源を特定して策定する地震動」では、規制委員会は城山南断層についての評価で、その先に東松浦半島方向に伸びているリニアメントと呼ばれる直線的な地形については活断層ではないとしています。これに対して佐賀大学の半田名誉教授はみずからの測定データをもとに疑問を呈しています[注2]。さらなる調査が必要ではないでしょうか。
また、断層長さと地震モーメントの関係式や「レシピ」の選定に対して、元規制委員会委員の島崎邦彦氏はじめ多くの専門家が異議を唱えています。特に昨年の熊本地震や鳥取地震がもたらした新しい知見は全く反映されていません。

以上は主なものだけです。この他にも審査書案には次のような多くの問題点があります。
 格納容器の底部をモルタルで補強する計画は適切ではない。
 加圧器逃がし弁の耐熱計算はずさんで信頼性がない。
 溶融燃料とコンクリートの反応で発生する水素濃度が爆轟の範囲に入る。
 免震重要棟が建設されず「耐震」で代替されることになった。


問題点B:規制委員会の審査対象にされていない問題
1.事故時の住民避難
避難の実効性が客観的、第三者的に検証されていません。特に地震との複合災害では、熊本地震では「屋内退避」が不可能なこと、指定避難場所等も被害を受けること、道路だけでなく高速道路や鉄道の破壊などで、原子力規制委員会の原子力災害対策指針とそれにもとづく避難計画が破綻していることが明らかになりました。

2.通常運転時に環境に放出される放射能による健康被害
玄海原発の稼働によって周辺地域で白血病が多発している疑いがあります。(別紙1参照)

3.原発の必要性
「原子力発電に関する佐賀県の考え方」(県庁ウェブサイト、2015年2月2日付け)によると、原発の再稼働が必要な理由として、唯一「石油や天然ガスなどエネルギー源のほとんどを海外に依存している我が国のエネルギー状況」を挙げています。しかしウラン資源も海外依存です。またエネルギー資源としてのウランの埋蔵量も、発熱量で比較すると天然ガスの半分以下しかありません(別紙2参照)。高速増殖炉の見通しが全く立たない現状では、天然ウランの99%以上を占めるウラン238を利用する(プルトニウムに変える)ことは出来ません。
太陽光など再生可能エネルギー導入の急速な拡大や、断熱等の省エネ技術の発展を見れば、かりに原子力を「つなぎ」として使ったとしてもその比重はさほどのものではないでしょう。

4.使用済み燃料の問題
原発1基が1日稼働すると、燃料中には広島原爆およそ4発分の「死の灰」つまり放射能が生成されます。1年でじつに1,000発分以上です。その使用済み燃料の放射能は十万年の単位で人間の生活空間から隔離しなければなりません。
天然ガスより少ない資源を消費した結果が十万年後までの子々孫々の世代に負の遺産として残る—このような発電方法は誰がどう考えても理にかなうものではありません。
知事が「受け入れたくない」(昨年12月29日の佐賀新聞)と言う使用済み燃料を、再稼働によって作り出すのを認めるのも全くの矛盾です。
以上
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[注1] 玄海原発再稼働審査パブリックコメント(福岡核問題研究会)
http://jsafukuoka.web.fc2.com/Nukes/kikaku/files/f0bed95ef5026cfb1e72ede6d07a6981-60.html
[注2] 半田 駿「玄海原発と地震・活断層」,月刊タウン情報さが+月刊久留米people,2013年7月号,p. 90. http://www.tjsaga.co.jp/tjs/gensiryoku/015.html

添付資料
別紙1 森永 徹(元純真短期大学・健康科学)「玄海原発と白血病の関係について」,2017年1月11日
別紙2 豊島耕一「原発はCO2削減に役立つのか? 将来性は?」,2017年1月10日

用語の簡単な説明
水蒸気爆発 水が非常に温度の高い物質と接触することにより気化されて発生する爆発現象のこと。

再臨界   臨界とは、ウランなど核物質の集まりが原子炉などで核反応が持続して起きる状態。通常は制御棒の挿入で原子炉を停止、つまり臨界でなくする。冷却水を失うなどの事故で炉心が溶けた場合も通常は臨界でなくなる。しかし溶けた炉心が再び集まり、そこに水が接触すると再び核反応が始まることがある(水は核反応を促進する)。これが再臨界。

フィルター付きベント
原発の事故時に原子炉格納容器内の圧力が高まって壊れるのを避けるため、放射性物質を含む蒸気を配管を通して原子炉建屋外に置くタンクへ送る設備。タンクに蒸気を通し周辺に放出される放射性物質を減らす。

プレストレスト・コンクリート
コンクリートの、圧縮力には強いが引張力には弱いという欠点をカバーするため、鋼材を使ってコンクリート部材に圧縮力がかかった状態とし、荷重を受けた時にコンクリートに引張応力が発生しない、または少なくするようにしたもの。

地震モーメント
地震の大きさを示す指標のひとつで、断層運動のエネルギーの大きさを表す。

レシピ   地震動を予測する手法のこと。

爆轟    ガスなどの燃焼する時の伝わる速度は遅い方から燃焼、爆燃、爆発、爆轟の順。つまり最も激しい現象。
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